【巻き爪】は爪が強く内側に弯曲している状態です。そのため、爪の下の皮膚を挟み込んでしまったり、爪の側面の皮膚が刺激されて痛みが出たりします。

【陥入爪】は爪の角や側面、爪の棘が皮膚を刺激して慢性の爪周囲炎を起こした状態です。ひどくなると出血しやすい肉芽腫を生じることがあります。深爪も原因の一つです。また、巻き爪と陥入爪を合併することもあります。

巻き爪には爪矯正法であるマチワイヤー法と巻き爪マイスター法を行っています。陥入爪には軽いものには爪棘を除去する爪切りや、程度の強い場合にはガター法という爪のわきにチューブをはさみ刺激を和らげて除痛と治癒効果を求める方法を行います。また、必要に応じてアンカーテーピング法という爪のわきの肉を引っ張って爪の刺激を減らすテーピング法を併用します。

巻き爪治療

マチワイヤー法について

【特徴】

　手術をせずに巻き爪を治療できる爪矯正法です。マチワイヤーという弾力のある細いワイヤーを用いて爪の形を少しずつ矯正します。ワイヤーを爪の伸びた白い部分に2か所穴をあけて入れます。装着時に痛みはほとんどありません。そのままお風呂に入れ、靴もはけます。

【方法】

爪の先を最低２～３ｍｍ伸ばして来院してください。深爪せず爪の角を丸く切りすぎないようにしてください。1つの爪につき約10分程度で終了します。ワイヤーは１～２か月に一度爪の伸び具合に合わせて入れ替えます。期間は爪の厚さなどによって個人差がありますが、１か月から１年半くらいのはばがあります。ワイヤーは切りながら使用します。4回（4趾）程度は使えますので2回目からは残ったワイヤーをご持参ください。ワイヤーの抜去は簡単に行えます。爪が弱くて割れやすい方には標準より細いワイヤーを使います。

【注意点】

ワイヤーの矯正力が強すぎて爪の先端が割れてしまうことがあります。その場合は爪に残っているワイヤーを引っ張って外してください。当院に来ていただいても処置します。その後爪が伸びるのを待って再度行います。また、なかには治療を中止すると再発することがあります。深爪や、合わない靴はよくありません。しかし再度マチワイヤーを装着すれば痛みも取れてきますので治療の再開をお勧めします。
爪の厚さや質によって矯正力には個人差があります。爪があまり分厚くて硬いと治りが悪いことがあります。
マチワイヤーは金属ですが一般的なMRIの検査を受けることが可能です。（3テスラの高出力MRIに対しては可能かはっきりしておりません。当院または製造元にお問い合わせください。）

【治療費】

保険適用外です。爪診察料1000円、爪処置料１趾1000円、マチワイヤー1本4100円（3～4回使えます）
（2019年10月1日改定）。（2024年4月1日 料金改定予定です。詳しくはこちら➡➡）

⇒詳しくはこちらをご覧ください（クリック）。

製造元：医師向けの爪矯正具の製造・販売（Tel　042-530-2010）多摩メディカル（リンク）

巻き爪マイスター法について

【特徴】

手術をせずに巻き爪を治療できる爪矯正法の一つです。巻き爪マイスターとはコイルバネに内蔵された弾力のある細いワイヤーの戻る力を用いて爪の形を少しずつ矯正する方法です。ワイヤーの端のフックを爪の端の伸びた白い部分にひっかけて加締めて装着します。装着時に痛みはほとんどありません。そのままお風呂に入れ、靴もはけますが、マチワイヤーより少し爪の上への出っ張りが大きくなります。
軽度から中等度の巻き爪が適応です。爪の角が伸びていない場合、ひび割れなど爪に異常がある場合、爪の厚さが薄い場合は装着できません。

【治療費】

保険適用外です。爪診察料1000円、爪処置料１趾1000円、巻き爪マイスター1本4000円（再使用できません）　（2019年1２月16日）（2024年4月1日 料金改定予定です。詳しくはこちら➡➡）

製造元：マルホ発條工業株式会社

⇒詳しくはこちらをご覧下さい（クリック）。

陥入爪治療

ガター法について

陥入爪の治療には爪の角や側面、爪棘による刺激を無くすことが重要で、先端部分に爪棘があるときにはまず爪切りを行うこともありますが、程度が強い時は爪のわきに縦に割を入れた短く切った医療用チューブをはさみ、炎症を起こした爪周囲の組織を保護して炎症を抑え、爪を正常な再生に導きます。陥入爪で炎症性の肉芽組織がある場合はしばしば爪がふやけて外側が浮いていることがあります。このようなときはチューブを挟みやすく麻酔なしでも可能です。痛みが強くて触れない場合や、チューブを挟むために爪のわきの部分的な剥離が必要な場合は部分麻酔をします。チューブは医療用の接着剤で固定します。チューブを入れると痛みはかなり軽減します。爪が伸びてきてもそのまま入れっぱなしでもよいですが、先端部分は爪と一緒に切って短くするか、時々チューブを入れ替えます。巻き爪も合併している場合はマチワイヤー法を併用することもあります。

アンカーテーピング法について

爪のわきの肉をテーピングによって横に引っ張り爪からの刺激を少なくして痛みや炎症を軽減し、爪の正常な再生を助ける方法です。炎症性の肉芽組織があっても行えます。ガター法と併用する場合が多いです。具体的な方法は受診時に実際に行ってご説明します。