「オレンシア」の講演会に参加してきました。関節リウマチの治療薬の一つである「オレンシア」はリンパ球をターゲットにした生物学的抗体製剤です。その作用機序がだんだんと明らかになってきており、リンパ球のどの部分に効くのかや、関節破壊を引き起こす破骨細胞を直接抑える可能性があることなどの最近の研究結果がプレゼンされました。

またACPA(抗CCP抗体)とリウマチ因子(RF)は関節リウマチの血液検査でよく認められるので、その診断によく使われますが、実は関節破壊そのものにも関係していることがわかってきています。そのACPAは歯周病や肺の炎症(喫煙などによる)からも作られることがわかっており、歯周病の予防禁煙が関節リウマチの治療や予防においても重要となります。

一方ACPA(抗CCP抗体)とリウマチ因子(RF)が出ない(陰性)の関節リウマチのタイプもあり、関節リウマチは一つの病因では説明できないとも言えます。今後の研究で少しづつ解明されていくことが期待されています。

また、関節エコーのリウマチ診療における有用性の講演もありました。リウマチの腫れが画像として見れるので、関節の腫れの評価に大変有用です。当院でも必要に応じてエコー検査でリウマチの関節炎を評価しています。

今回の講演会は全国から先生方が集まってきており、久しぶりに懐かしい先生とお会いできました。いろいろとお話が聞けて有意義でした。