リウマチなど治療中の方へ

新型コロナウイルス・ワクチン Q & A

ステロイド剤やメトトレキサート、タクロリムス、生物製剤などの免疫抑制剤を使用している方へのご注意など

Q1:リウマチ・膠原病などで免疫が低下している人が注意する事はありますか?

A: 新型コロナウイルスの付着を避けることと、付着した場合でも口や鼻からウイルスを体内に入れないように注意して下さい。 

 

Q2:免疫抑制薬の服用はどうしたら良いか?

 現時点では、免疫抑制薬服用者が感染リスクを上昇させるという報告はされていません。重症化のリスクが上昇することが報告されているのは、糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管疾患です。

  1. 感染症の兆候がない場合は免疫抑制薬、生物学的製剤、抗リウマチ薬、ステロイドは、原則として同じ用量で継続使用とします。
  2. 感染症(発熱、風邪症状、肺炎、膀胱炎など)を疑った時は
    • ステロイド(プレドニン、プレドニゾロン、レダコート、メドロールなど)は原則同じ用量で飲み続けてください
    • 下に挙げた免疫抑制剤は感染を重症化させるリスクが考えられますので、とりあえず中止していただいてご相談ください。

免疫抑制剤・・・経口剤のリウマトレックス、メトトレキサート、メトレート、プログラフ、タクロリムス、ゼルヤンツ、スマイラフ、リンヴォック、ジセレカ。 注射のエンブレル、エタネルセプト、ヒュミラ、アダリムマブ、シムジア、シンポニー、アクテムラ、ケブザラ、オレンシア

 

Q3:関節リウマチや膠原病の患者はワクチンを接種すべきでしょうか?

アメリカリウマチ学会からリウマチ膠原病患者さんへの新型コロナワクチン接種についてのガイドラインが発表されました。(COVID-19 Vaccine Clinical Guidance Summary for Patients with Rheumatic and Musculoskeletal Diseases⇒)

それによれば、リウマチ患者さんは新型コロナウイルスに感染したとき重症化するリスクが考えられるため、ワクチン接種が推奨されています。

ワクチン接種により病気が再燃する可能性はあり得ますが、まだはっきりしたデータはありません。ワクチン接種のメリットのほうが大きいと考えられています。

日本リウマチ学会のホームページによくまとまっています。ご参照ください。→

 

Q4:ワクチン接種前後で免疫抑制剤やステロイドは継続すべきですか?

アメリカリウマチ学会のガイドラインでは、ワクチンの効果を高めるために免疫抑制剤の使用タイミングを調整することが勧められています。しかしこれは必ずそうしなければならないことではありません。

<使用日調整が望ましいとされている薬>

  • メトトレキサート・・・各ワクチン接種後1週間は服用しない。ただし病勢がまだ落ち着いておらず1週服用しないだけで関節リウマチが悪化してしまう人はいつもの間隔で服用しても可。
  • オレンシア皮下注・・・初回接種の前後1週間は注射しない。
  • オレンシア点滴注射・・・オレンシア点滴日から4週間後にワクチンを接種し、その1週間後に次回オレンシア点滴を行う。
  • JAK阻害剤(ゼルヤンツ、オルミエント、スマイラフ、リンヴォック、ジセレカ)・・・各ワクチン接種後1週間は飲まない。
  • リツキサン、エンドキサンにも推奨がありますが、当院で使用していないため省略します。

<その他の免疫抑制剤(オレンシア以外の生物学的製剤:エンブレル、エタネルセプト、ヒュミラ、アダリムマブBS,シンポニー、シムジア、レミケード、アクテムラ、ケブザラ。プログラフ、タクロリムス)、ステロイド剤(プレドニゾロン、プレドニン、レダコート、メドロールなど)、その他の抗リウマチ薬(リマチル、ブシラミン、アザルフィジンEN、サラゾスルファピリジン、ケアラム)などは使用日の調整は必要ありません。>

ただし、ワクチン注射後に体調がすぐれない場合は上記の薬を少し延期しても良いかもしれません。その場合でもステロイド剤は中止しないで継続してください。

日本リウマチ学会では今のところ上記のような推奨はありません。ご参考にしてください。

日本リウマチ学会のホームページによくまとまっています。ご参照ください。→

以上のことは2021.4現在の情報です。今後新しい情報、推奨が出されるかもしれません。ご注意ください。